50 年前の幻の「豆本」詩画集 復刻!
サンリオが山梨シルクセンターとして、詩画集を出版していた1960 年代〜70 年代。本体10.5 ×8cm の手のひらにすっぽり入るハードカバーの本が函入りで「ヤマナシ・ミニブック・シリーズ」として刊行されていました。この度、その中から宇野亞喜良が手がけた1968 年刊の『恋の迷宮』を復刻。本書は絵だけでなく、詩も宇野によるもので、宇野ならではの言葉のセンスで綴られた詩に、60 年代の鮮烈なイラストレーションが添えられています。
小さい本ゆえ、当時の製本も大変だったと推測されますが、復刻に関しても、製本所を探すことが最も困難でした。通常の製本機械では対応できず、結果、製本、函の制作、シール貼はすべて手作業。その点でも珍しい本になっています。
【収録詩】
月は泣いた
けしは立ったままで死んだ
火曜日の朝の事件
そのとき空は
くず屋さん
マッカナバラガ
ナイト・マスク
白い猫が空を歩く
歌う少女
世界でいちばん
ゆれる老婆のロバの背中で
お月さまとキャンデー
あのこに会いたい
さよなら
宇野亞喜良(うの・あきら) / 1934 -
イラストレーター、アートディレクタ―。エッセイ、舞台美術、キュレーションも手がける。カルピス食品工業、日本デザインセンター、スタジオ・イルフイルを経てフリー。寺山修司「天井桟敷」のポスターなど昭和期の日本グラフィック界のカリスマ的存在であり、現在に至るまで第一線で活躍。60 年代からノスタルジックで絢爛華麗な作品を生み出しているが、写実的なポートレイトや時代小説の挿絵で見せる躍動感あるタッチなど、表現の幅は広く、近年は少女モチーフの人気が高い。
著書に絵本『あのこ』(今江祥智/ 文)、作品集『宇野亞喜良クロニクル』など。絵本、イラストレーション分野の受賞の他、2010年旭日小綬章受章、2015年読売演劇大賞選考委員特別賞受賞。2017年アーティストグッズのブランド「QXQX-クスクス-」を立ち上げる。
著者:宇野亞喜良
印刷:三永印刷
発行:888ブックス(ハチミツブックス)
定価:本体1,800円+税
発行日:2018年6月6日
ISBN978-4-908439-10-0 C0071
【仕様】
サイズ:105×80ミリ
ページ:32ページ
装丁:上製本/ 手製本/ 函入り